こんにちは、さすらいインコです。
今回はわたしが2年間住んだ、不便だらけですが何故か憎めないイタリアを題材にした本をご紹介します。
【題名】スローシティ
【著者】島津菜津
【要約】
古くからの街並みや文化を守っていこうとするイタリアの小さな町の人々の取材を通して、日本や他の国で進む町の「均質化」が町の発展にとっていいものなのか、考えを深掘り。
ちなみに、わたしはイタリアのローマに2年間住んでいましたか、イタリアが好きではありませんでした。
むしろ、毎日、日本に帰りたいと思っていました。
理由は、
○ 何より生活が不便
○ 言葉が不自由
○ イタリア人がテキトー
○ 街を安心して歩けない、汚い
などなど、あげはじめたらキリがありません…それくらいイタリアが嫌でした。
そんなわたしが嫌いだったイタリアですが、悔しいですが日本が学ぶべき点も沢山あると思います。
具体的には、
○ 昔からの街並みや文化を守っていこうとする取組
○ 消費者も巻き込んだ、より環境に良いものを消費しようとする取組
○ とにかく女性や子どもなど、弱者に優しい
というところでしょうか。
この本はわたしが思うイタリアの良いところの1つ目、
「昔からの街並みや文化を守っていこう」
簡単に言うと取組を進めるのがスローシティで、これに名を連ねる小さなイタリアの町の取組を紹介したものです。
スローシティとは、常に発展、効率化を目指す現代社会からは距離を置き、人々が幸せになるために考えながらゆっくり発展を目指す町の取組です。
今はアグリツーリズモなどでうまくいっているように見えるイタリアの田舎町ですが、一昔前は日本と同じように人口減少や高齢化に苦しみ、衰退していたようです。
そんな中で名もない町の人々が自分たちの町をこれからも残していくために奮闘しているのがこの本には書かれています。
その中でも面白いと思ったのが「アルベルゴディフーゾ」の取組。
これはイタリア語で直訳すると、「分散した宿」となります。
簡単に言うと、高齢化と過疎に苦しむ農村集落に、空き家や既存の家をそのまま旅行者に貸す取組です。
レセプションや食事は集落で共有するので、集落でひとつあればよいのです。
集落で宿を運営する側にとってのメリットは、
○ 事務量の多い受付や食事の用意はやらなくても良い
○ 宿で食事を用意しないので、町のレストランが賑わう
といったところでしょうか。
旅行者側にとってももちろんメリットがあります。
具体的には、
○ 不便を受け入れる代わりに保証されるのは、本物の暮らし
○ これまで旅行者がいけなかったような町に滞在できる
があげられます。
日本の農家民宿を進める上でも、やはり受付の事務量や食事の用意など、普通の農家が行えないことがあります。
わたしが昔研修させてもらった長野のリンゴ農家さんも、これらがネックになって農家民宿に取り組めずにいました。
農家民宿はとても良い農家の副収入になると思います。
ホンモノ志向を強める旅行者のニーズにも合致するので、日本でも取組が進めばいいなと思います🇯🇵
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最後に、この本で心に残った一言をシェアします。
「今後の世界が目指すべきは、幸福な非成長」
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
明日も更新しますので、また読んでいただけたら嬉しいです。
それでは、また明日!